スマホで呼ぶ自動運転車 ドコモと日産、横浜で近未来の公道実験

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山本知弘
【動画】自動運転車両、スマホで呼んで行きたい場所へ=山本知弘撮影
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 自動運転の車をスマートフォンで呼び出し、行きたい場所まで送ってもらう――。近未来の移動サービスの実証実験を、日産自動車NTTドコモが今月下旬から横浜市内の公道上で始める。自動運転車と最適な配車やルートを計算するAI(人工知能)を組み合わせ、実用化の課題を探るねらいだ。一足早く、報道陣向けの試乗会に参加した。

 9月21日から始まる実験は、JR横浜駅そばの「みなとみらい地区」や中華街周辺の2平方キロメートルが対象エリアで、多くの車両が行き交う一般道を利用する。23カ所の乗降ポイントがあり、スマホで乗りたい場所と降りたい場所を指定すると、近くで待機する車両をAIが回してくれる。

 試乗では、みなとみらいにある日産自動車本社から赤レンガ倉庫近くの商業施設までの片道約2キロを利用した。乗るのは日産のミニバン型のEV(電気自動車)「e―NV200」を改造した自動運転車だ。

 ドコモのアプリを立ち上げ、乗降場所と乗る人数を入力する。「確定する」というボタンを押すと、3分ほどで日産本社前にゆっくり滑り込んできた。

 車体に記された4ケタの数字をスマホに入力し、スライドドアを開ける。客席は3列シートの中央に1席、後部に2席の配置だ。これまでの実験車両で機器類の操作のために乗り込んでいたオペレーターをなくし、客席を一つ増やしたという。自動音声の案内に従ってシートベルトを締め、ドア脇の「GO」ボタンを押す。ドアが閉まると、しばらく間を置いて緩やかに走り出し、トラックやバイクが行き交う公道に出ると法定速度の40キロまで流れに乗って加速した。

 運転席には万一に備えて運転手が座り、車内の雰囲気は普通のタクシーと変わらない。ただ、実際の加減速や車線変更、交差点を曲がる操作は車両任せだ。カーブでハンドルがくるくる回っても、運転手の手元は動かない。

 客席から見えないアクセルや…

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