真打ち3年目、突然姿を消した落語家 酒と戦い10年ぶりに起死回生

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井上秀樹
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 10年前、突然姿を消した若手真打ちがいた。名は春風亭鯉枝。アルコール依存症で高座から遠ざかった男は、転がり続けるうちに、起死回生を果たした。

 テレビで春風亭柳昇を見て「俺もやってみよう」と北海道から上京したのは26歳の時。前座修業でストレスをため、一晩で缶ビールを3リットル分飲んだ。600万円ほどあった貯金は、二つ目になって底をついた。

 酒は強くない。一門の宴席でしくじりを重ね、飲み仲間がいなくなった。自宅の一人酒が増えていく。

 37歳で発症した。精神が錯乱し、妻の浮気を疑う被害妄想に陥った。精神科の病院に3カ月入院したが、「酒を2年やめて、大丈夫だと勘違いして飲んで」と完全には治らなかった。

 真打ち3年目の2011年…

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