パラリンピック閉幕 選手約4400人の熱戦、宣言下での13日間

榊原一生
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 第16回夏季パラリンピック・東京大会は5日、閉会式が国立競技場東京都新宿区)で無観客であり、13日間の熱戦に幕を閉じた。新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪に続いて1年延期となった大会は、162の国・地域(ロシアは個人資格での参加)と難民選手団を合わせ、過去最多の約4400選手が参加。会場のある1都3県に緊急事態宣言が出るなかでの開催で、全ての会場で一般客を入れなかった。

 東京パラは57年ぶり2度目だった。22競技539種目があり、肢体不自由や視覚障害、知的障害などの障害がある選手の活躍やスポーツマンシップを通じ、違いを認め合う共生社会の実現をめざした。日本は前回リオデジャネイロ大会でゼロだった金メダルを13個獲得。銀は15個、銅23個で、総メダル数は51と過去3大会を大きく上回り、史上最多だった2004年アテネ大会の52個に迫った。

 大会組織委員会による児童・生徒向けの「学校連携観戦プログラム」は辞退する自治体が相次ぎ、観戦者は約1万5千人だった。8月12日以降の選手らのコロナ陽性者は301人。国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は5日、「日本がここで行ったような大会の開催はほかの国ではできなかったと確信している。日本の貢献を忘れない」と語った。

 東京五輪、パラは13年に開催が決まった。翌年1月に発足した組織委は残務処理をしたうえ、来夏をめどに解散予定。五輪会場の大部分が無観客になったことで赤字は確実で、費用負担をめぐる国と東京都の議論が今後本格化する。

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