全富山ロケ「鳩の撃退法」公開中 藤原竜也さん主演

永田稔
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 すべて富山県内で撮影した映画「鳩の撃退法」が全国公開されている。藤原竜也さん主演で、監督は富山県南砺市出身のタカハタ秀太(ひでた)さん。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置のなかでの公開となり、客足への影響が心配されるが、県内の映画関係者は「富山の魅力を知ってほしい」と期待している。

 主人公は藤原竜也さんが演じる小説家。物語は、彼の新作小説をもとに虚構と現実、過去と現在が交錯しながら進む。原作は直木賞作家、佐藤正午さんの同名小説だ。

 原作には、物語の舞台となる地名は書かれていない。ロケ地を富山に決めた理由について、配給元の松竹は「雪が降り、監督にゆかりのある場所ということで富山にしました」(映画宣伝部の担当者)。

 タカハタさんは、バラエティー番組やドラマ、ミュージックビデオを数多く手がけてきた。映画監督としては2004年、草彅剛さん主演の映画「ホテルビーナス」で、モスクワ国際映画祭新人監督部門の最優秀賞を受賞した。

 今回は昨年2月から1カ月ほどかけて、富山市内を中心に県内約40カ所で撮影した。古書店、飲食店、理容室、幼稚園、商店街、漁港、富山大キャンパスなどが登場する。東京の出版社のシーンは県庁で撮った。

 苦労した点の一つは、新型コロナウイルス感染防止対策だ。エキストラやボランティアスタッフは、県内在住者だけに絞った。エキストラは午前と午後で人を別にした。

 映画館での舞台挨拶(あいさつ)は、緊急事態宣言下の東京では公開初日に行ったが、富山ではまん延防止等重点措置を受け、県側の意向により中止を決めた。

 富山市の市電中町(西町北)駅近くにある金沢ジャーマンベーカリー中央通り店の大岩一美店長は「コロナがなければ、もっと盛り上がったのに残念」と悔しがる。撮影に使われ、寒いなか監督やスタッフがコーヒーを飲みに立ち寄った。店には藤原さんやタカハタさんのサイン色紙を飾り、ポスターを貼っている。

 県内ロケの支援を統括する県コンベンション・賑(にぎ)わい創出課の前佛(ぜんぶつ)聡課長は「東京のシーンも含めて富山で撮った。劇場は感染防止を徹底しているので、少しでも見ていただけるとありがたい」と話している。

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