松江歴史館で館蔵名品展 8月29日まで
【島根】松江歴史館(松江市殿町)の開館10周年を記念し、えりすぐりの収蔵品を紹介する館蔵名品展「これまで、これから」が同館で開かれている。松江の歴史や文化に新たな知見をもたらした62件を展示している。29日まで。
同館は2011年3月にオープン。博物館施設として調査・研究をもとに展示や収集、普及活動などを進め、松江の歴史や文化を紹介してきた。約3万9千点の資料を収蔵している。今回はその中から同館の「お宝」を集めた。
その一つ、「松江城天守祈禱札(きとうふだ)」には江戸時代初期の慶長16(1611)年の墨書があり、松江城天守が国宝に指定される決め手になった。
「大崎御屋敷(おやしき)分間惣(ぶんけんそう)御絵図面」(江戸後期)は松江藩主を務め、大名茶人として知られる松平不昧(ふまい)(治郷(はるさと))が隠居して移り住んだ品川大崎(現在の東京・北品川御殿山)の広大な下屋敷の図面。長さが3メートル近くあり、同館で公開されるのは7年ぶりという。
このほか、松江城や城下町を整備した堀尾吉晴の肖像画、松平家の藩主が使ったハンコや着用したと伝わる大鎧(おおよろい)、松江藩家老伝来の甲冑(かっちゅう)、不昧の書、松江出身で首相を務めた若槻礼次郎の肖像画なども並ぶ。
今回、観覧者はすべての展示物の写真撮影ができる。展示を企画した西島太郎学芸員は「歴史資料の研究や収集などを通じて新たに価値づけられた収蔵品から、松江の歴史や文化の魅力を感じてほしい」と話す。
観覧料は大人300円。大学生以下は無料(高校~大学生は学生証の提示が必要)。開館は午前9時~午後5時。問い合わせは同館(0852・32・1607)へ…