「特攻」書類係、敗戦後に秘密焼却 「夢中で燃やした」
三井新
宮城県大崎市の佐藤守良(しゅりょう)さん(93)は、東京大空襲で被災し、終戦直後には勤めていた海軍の重要書類を焼いた経験がある。「あの愚かな戦争を語り継がないといけない」と、今も思い続けている。
1945年3月10日未明。旧制中学生だった佐藤さんは東京・牛込に住んでいた。爆音で目を覚まし、玄関を出ると、米軍のB29が低空を飛んでいた。「真っ赤に燃える炎が反射して、機体が魔物みたいに見えた」
数日後、安否が確認できない同級生を探し歩いた。「見つからないとは思ったけど、仲の良い友達だったから」。死臭が漂う街で、無数の死体を目にしたが、ついに見つからなかった。
4月中旬の空襲は、「焼夷(…
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