さよなら、国鉄のシンボル 国内で最後の「スカ色」引退
国鉄時代のシンボルカラーが、また一つ消える――。クリームと青のツートンカラーで鉄道ファンから「スカ色(横須賀色)」の愛称で親しまれてきた115系電車が、8月いっぱいで現役を引退する。国内で唯一、しなの鉄道(長野県上田市)が同色の2編成計5両を走らせてきたが、老朽化で廃車が決まった。
国鉄が1950年、横須賀線を走る電車の塗装に採用した。JR中央線で新宿駅から長野県内に向かう長距離列車や、しなの鉄道の前身のJR信越線などでも運用され、国鉄を代表する車両カラーの一つだ。
しなの鉄道は、県出資の第三セクター。97年の長野新幹線(当時)の開業に伴い、JR東日本から国鉄時代に製造された115系約60両を譲り受け、信越線の一部区間の運行を引き継いだ。
誘客キャンペーンの一環で、2017年から信越線時代に走った車体色の復刻を企画した。「横須賀色」のほかにも、アイボリーと緑の「初代長野色」、オレンジと緑の「湘南色」、真っ赤な「コカ・コーラ・レッド」など、次々と懐かしの車体をよみがえらせてきた。
中でも、鉄道ファンに最も人気が高いのが「横須賀色」という。広報担当者は「知名度が抜群で、国内ではほかに走っていないので断トツの人気だった。公式ツイッターに横須賀色の写真を載せると反響が全然違う」と話す。
7月下旬には、定期運行では…