韓国映画「モガディシオ」 元大使「南北一つの家族に」

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ソウル=神谷毅
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 同じ民族ながら南北に分断され、今も緊張が続く韓国と北朝鮮が、1991年に「一つ」になった瞬間があった。舞台は内戦が激化したアフリカ東部のソマリア。孤立した両国の大使館員らが協力して脱出したという実話をもとにした韓国映画「モガディシオ」が、コロナ禍にもかかわらず韓国で200万人を超えるヒットとなっている。主人公のモデルとなった姜信盛(カンシンソン)・元韓国大使(84)に当時の話を聞いた。

 南北は当時、国連加盟をめぐって非同盟諸国の支持を獲得しようと争い、アフリカが主戦場となっていた。韓国政府は87年、ソマリアに大使館を開設するため、姜さんを派遣し、姜さんが初代大使に就いた。

 ソマリアでは91年、反政府武装勢力の攻勢でバーレ政権が崩壊し、内戦状態となった。首都モガディシオも混乱状態となり、通信がすべて断たれた。救援機が来るとの情報に接した姜さんら大使館員たちは空港に向かったが、結局、乗れなかった。避難先の大使公邸に戻ろうとした時、北朝鮮の大使や家族ら14人の姿が目に入った。うち4人は4~6歳の子供だった。

「助けなかったら、一生後悔」

 数カ月前に赴任してきた北朝…

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