1~5月「超過死亡」17年以降最多 新型コロナ影響か

市野塊
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 今年1~5月の死者数を「超過死亡」という手法で分析したところ、直近5年で最多レベルになったことが、国立感染症研究所のまとめでわかった。新型コロナウイルスの「第3波」「第4波」の時期にあたり、感染拡大が影響した可能性があるという。感染研が11日にあった厚生労働省の専門家組織の会合に分析結果を示した。

 超過死亡は、死亡数が平年に比べてどれだけ増えたかを示す指標。平年から予測される死者数と、実際の死者数を比較して算出する。すべての死因を含む推計だが、特定の災害や感染症による社会へのインパクトを測る目安として使われる。

 分析結果によると、今年1~5月の超過死亡は全国で5076~2万4300人。5月がとくに多く、東京(61~451人)、大阪(865~1300人)、兵庫(514~834人)など30都道府県が直近5年間で最多規模となった。

 超過死亡は冬場に季節性インフルエンザの影響などで多くなることはあるが、4~5月に多くなることはほとんどないという。感染研の鈴木基・感染症疫学センター長は、「新型コロナによる死亡と、医療逼迫(ひっぱく)によって増えたコロナ以外の死亡が原因であると考えることが合理的だ」と指摘している。

 20年の1~5月は、欧米で感染が爆発的に広がり、多くの超過死亡が報告された。一方、国内では204~3917人に抑えられていた。新型コロナ対策でほかの感染症の流行が抑制されたり、健康管理が進んだりしたために、大きく増えなかったとみられていた。(市野塊)

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