第3回五輪メダルも効果薄 団体や協賛企業に残された課題

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 「これで柔道をする子どもが増えてくれる」

 東京オリンピック(五輪)で過去最多となる9個の金メダルを獲得し、全日本柔道連盟幹部は声を弾ませた。

 競技人口回復は切実な願いだ。

 日本中学校体育連盟の柔道の登録者数は、最近19年で半数以下になった。少子化で中学生の数自体が約8割になったことを差し引いても、減り幅は大きい。

 日本は競技全体でも、史上最多27個の金メダルを獲得した。人気の野球も、ソフトボールも金メダルだった。

 しかしやはり、中体連の軟式野球男子、ソフトボール男女は、登録者数を5割前後に減らした。男女とも東京五輪でのメダルはならなかったが、人気競技の一角に数えられるバレーボールも登録者数が約66%まで減った。

 早稲田大学の中澤篤史准教授(スポーツ社会学)は「個人で気軽に楽しめる競技に人気が集まっている。レクリエーション志向が強まっている」。

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 陸上やバドミントンは登録者…

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    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2021年8月12日17時47分 投稿
    【解説】

     記事の冒頭にある、柔道関係者の「これで柔道する子どもが増えてくれる」という見立ては、短絡的かと思います。  2001年から19年にかけて、日本中学校体育連盟の登録者数の変化を競技別にみると、柔道は男子が44%、女子は49%に減っています

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