横浜市長選、候補者はどんな人? 田中康夫氏
一橋大学在学中のデビュー作「なんとなく、クリスタル」の印象がいまも強烈だ。1980年の東京を舞台に、ブランドものに囲まれた女子大生の消費生活を描き、社会現象になった。
その出版から40年。学生時代、アルバイト代でデートに訪れた老舗のホテルニューグランド(中区)で7月8日、出馬表明会見を開いた。「この街をみなさんと一緒に変えることが、今の閉塞(へいそく)感がある日本を変えると信じている」
2015年からFMヨコハマで音楽番組のDJを務め、収録後にスタッフや友人らと食事を重ねるうち、「住みたい街」と評される横浜と、実際に住んでいる人が感じる横浜の間に、落差があるのを感じた。
95年の震災後、魅力的な港町の神戸にボランティア活動で通った時も、00年に官僚主導を批判して長野県知事選に挑んだ時も、今回と同じように「光と影」を感じた。「そうしたことに私は突き動かされるところがある。みなさんと一緒に微力でも変えていければ」
3月末に中区山手町に住まいを選び、妻(55)と10歳のトイプードル犬「ロッタ」と暮らす。ロッタを1日4回、散歩に連れていくのが日課だ。