衆院選、小選挙区に809人が立候補予定 朝日集計
次の衆院選(定数465)で、289の小選挙区に立候補を予定しているのが809人に上ることが、朝日新聞の集計(9日時点)でわかった。衆院議員の任期は10月21日まで。競合区の調整や空白区解消へ向けた各党の詰めの作業が今後、本格化する。
各ブロックごとの立候補予定者(8月9日現在、朝日新聞集計)の一覧は、記事の中盤のリンクからご覧下さい。
自民278人、前回とほぼ同規模
小選挙区の立候補予定者をみると、政党別では、自民党が278人と最も多い。前回2017年に擁立した277人とほぼ同様の規模。ただ、278人には、17年に小選挙区で勝ち上がった現職と競合する形になっても、比例区や参院からの「くら替え」をめざして活動する現職らも含んでいる。不祥事による離党者がいる選挙区の扱いも決まっておらず、今後の調整で人数は変わる見通しだ。
自民の比例区の発表はゼロ。小選挙区と比例区で選挙ごとに候補者を入れ替えるコスタリカ方式の対象者らほぼ内定している一部をのぞき、公示直前まで調整が行われる見通しだ。
自民と連立を組む公明党の小選挙区の立候補予定者は9人。新たに広島3区に挑む。山口那津男代表は7月の記者会見で勝敗ラインについて聞かれ、「与党で過半数(233議席)が目標」と述べた。
立憲は212人、単独過半数を擁立へ
一方、野党第1党の立憲民主党から小選挙区に立候補を予定するのは、212人。17年の候補者63人から、野党合流を経て大きく増えた。当初は国民民主党や社民党、野党系無所属と合わせて、定数465の過半数の候補を立てることをめざす方針だったが、菅内閣の支持率の低下を受け、目標を修正。立憲単独で過半数を擁立する方針を新たに掲げた。
共産党の小選挙区の立候補予定者は126人。前回は206人が立った。今年7月の東京都議選で立憲との間での「すみ分け」で一定の成果が出たこともあり、「力を合わせれば勝てるという選挙区を中心に候補者の調整は行う」(志位和夫委員長)方針だ。
17年は衆院選直前に当時の野党第1党の民進党の分裂を受け、野党の競合も各地で起こった。今回は「共闘体制」をどう構築できるかがカギを握る。
日本維新の会は近畿ブロックを中心に、65人の擁立を発表している。
与党の現有議席は自民276、公明29の計305。17年の衆院選で獲得した313(追加公認を含む)から減り、3分の2(310)を割り込んでいる。
記事の後半は、「衆院議員の任期と解散」や「政党の届け出要件」、「一票の格差」などのキーワードを解説します。
各政党の小選挙区立候補予定者と発表済みの比例区単独候補の数
小選挙区 比例区 現有議席
自民 278 0 276
立憲 212 0 109
公明 9 26 29
共産 126 21 12
維新 65 0 10
国民 21 2 8
社民 10 3 1
N党 20 1 1
れいわ 20 0 0
※大島理森衆院議長は自民、赤松広隆副議長(引退予定)は立憲、6日に繰り上げ当選が決まった山崎摩耶氏は国民に含めた。選挙区が決まっていない予定者を含む政党もある
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【キーワード】衆院議員の任期と解散
衆院議員の定数は465人。任期は4年で、いまの現職は10月21日に任期満了を迎える。その前に衆院が解散されれば、解散の日から40日以内に総選挙が行われる。
内閣不信任案の可決や信任案の否決を受け、内閣が総辞職しなかった場合に行われる。そのほか、首相にとって有利な時期を選ぶ場合もある。解散は内閣の助言と承認により天皇が行うが、実質的には内閣が決めており、解散は「首相の専権事項」「首相の伝家の宝刀」と呼ばれるのも、このためだ。
任期満了に伴う総選挙は戦後、1976年の三木武夫内閣の時しかない。
【キーワード】解散のネーミング
衆院解散はきっかけとなった…