葉っぱをアート作品に 「要領が悪い」僕が見つけた天職

有料記事

中井なつみ
[PR]

 泣いているウサギを、隣にいるクマやハリネズミが励ます。キリンやペンギンが一緒に流れ星を見る――。道ばたで見つけた葉っぱに切り込みを入れ、動物たちを主人公にした物語を表現する男性のアート作品が注目を集めている。「要領が悪い」と言われ続け、仕事も退職せざるを得なかった男性が、ようやく見つけた「自分の得意なこと」で輝きを放っている。

1枚15万円の値も 海外からも賛辞

 「信じられないほど複雑な切り口」「手のひらの上に絵本があるかのように、葉っぱから物語が伝えられている」

 関東地方在住で「葉っぱ切り絵アーティスト」として活躍するリトさん(35)の作品に、アメリカやイタリアなどのネットメディアから贈られた賛辞だ。今年5月に都内の書店で開いた個展では、30点が完売し、1枚15万円の値がついたものもあったという。

 リトさんが制作活動を始めたのは、まだ昨年のこと。

SNSでスペインのアーティストによる葉っぱを使った切り絵作品を見たことがきっかけで、見よう見まねで取り組んでみた。できあがった作品をSNSで公開すると、細かいところまで繊細に表現する技術や、動物たちで描く物語の世界観などがすぐに評判になった。

 順風満帆に見えるリトさん。だが、それまでの人生は挫折の連続だった。

 もともと飲食業界で働いてい…

この記事は有料記事です。残り1304文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら