忽那医師「自宅死増加の恐れ」 重症化リスク高い世代は

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聞き手 編集委員・辻外記子
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 緊急事態宣言が出ているのに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続きます。「これまでにはないスピード」と表現される「第5波」は、いつまで続くのか。流行の収束はみえているのか。7月に大阪大に移った、忽那(くつな)賢志医師に4日、オンラインで話を聞きました。

 ――5波はどこまで拡大するのでしょうか。

 新規感染者の増加率が減っていません。いまの時点で、いつがピークになるのかよめません。

 東京都内のコロナ向けのベッドは6千床近くありますが、今後もこのペースで新規感染者が増えれば、ベッドが間に合わなくなるでしょう。

ワクチン接種と変異株、競争するように

 ――5波の特徴は?

 ワクチン接種を終えた高齢者らの感染割合が減り、重症化もしなくなっています。ワクチンの効果を感じる一方、変異株による重症化リスクは高くなっているとみています。

 未接種の40代、50代の感染割合が増え、この世代が重症化しています。

 世界規模でみてもいま、ワクチン接種と変異株、どちらが先をいくのか。競争のような面があります。

 変異していない従来のウイルスならば、いまこんなに感染者や重症者が増えなかったかもしれません。

入院制限で「自宅死」増加の恐れ

 ――政府が、感染急増地域の入院を重症化リスクの高い人らに限定する方針を出しました。

 中等症の人が入院して肺炎がみつかり、治療薬レムデシビルを使うといった機会を逃し、重症化する人が増えるのではと心配されます。

 いままで入院できた人が自宅で療養することになり、自宅で亡くなる人が増える可能性があります。

 酸素吸入が必要になった人を早くみつけ、入院してもらうというしくみをつくらなければなりません。

■誰もが重症化しうる…

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