「桜」夕食会「捜査不十分」、検審が指摘した2つの容疑

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三浦淳
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 安倍晋三氏が首相在任中に事実と異なる答弁を続けた「桜を見る会」前日の夕食会をめぐり、検察審査会は安倍氏の不起訴の一部は「不当」と判断した。そのうえで検審は、首相経験者としての説明責任の重要性を強く指摘。野党は改めて安倍氏の国会招致を求めた。

 「十分な捜査が尽くされているとは言いがたい」。検審がこう指摘して安倍氏を「不起訴不当」と議決した容疑は二つあった。

 一つ目は、安倍氏側による夕食会の費用補塡(ほてん)は、選挙区内での寄付にあたるという公職選挙法違反だ。ポイントは参加した地元の支援者らに会費以上の利益供与を受けた認識があったかどうかになるが、複数の参加者は東京地検特捜部の任意聴取に「食事も物足りず、寄付を受けた認識はない」と説明。これを受けて特捜部は不起訴にした。

 だが検審は「一部の参加者の供述で参加者全体の認識の目安をつけるのは不十分」と指摘。都心の高級ホテルで開催された「付加価値」も考慮すべきで、単純に提供された飲食物の内容だけで判断するのは「相当と言えない」とした。

 特捜部が安倍氏の関係先を家宅捜索しなかったとされる中、「秘書や安倍氏の供述だけでなく、メールなどの客観的資料も入手して犯意の有無を認定すべきだ」と証拠収集の不十分さにも言及した。

 二つ目は、安倍氏が代表を務める東京の政治団体「晋和会」の会計責任者だった元私設秘書について、安倍氏が選任監督する責任を怠ったという政治資金規正法違反だ。

検察幹部 「再捜査で判断変えるのは難しいだろう」

 ここではホテルとの契約主体…

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