首都圏3県と大阪府に宣言検討 政府、30日にも決定へ

西村圭史 足立優心
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 政府は28日、新型コロナ対応の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用している埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府について、緊急事態宣言に切り替える方向で検討に入った。早ければ30日にも正式決定する方向だ。

 複数の政府関係者が明らかにした。加藤勝信官房長官は28日の記者会見で、「(自治体から宣言の)要請が出されれば速やかに検討を行う」と述べた。

 この日は宣言を出している東京で1日の新規感染者数が初めて3千人を超えて3177人を記録。神奈川も初めて1千人を超えて1051人となり、埼玉、千葉も過去最多を更新した。国内の新規感染者数は初の9千人超えとなるなど、感染力の強い変異株(デルタ株)が首都圏を中心に急速に広がっている。大阪府も、新規感染者数が2日連続で700人を超えた。

 こうした状況を受けて同日夕、菅義偉首相は前日に続いて田村憲久厚生労働相らを集めた関係閣僚会議を首相官邸で開き、対応を協議した。政府は当初、高齢者へのワクチン接種が進み、重症者数が抑えられているなどとして、感染状況の推移や自治体の出方を見守る構えだった。ところが、4連休明けの新たな感染者が想定以上に急増したことで、早急な対応が必要と判断した。

 首都圏3県は、新規感染者数だけでなく病床使用率も危険水域となっている。27日時点で埼玉が宣言発出の目安「ステージ4」(50%以上)を超える51%。千葉は46%、神奈川は42%とそれぞれ目安に近づく。神奈川県黒岩祐治知事は28日夕、29日に3県共同で政府に緊急事態宣言を要請することを明らかにし、「感染激増状態に入っている。人流をどう抑えるか、非常に大きな課題を抱えている。『1都3県で緊急事態宣言』という形で危機意識を皆さんと共有することが必要なレベルにきた」と述べた。

 コロナ対応にあたる西村康稔経済再生相は、28日の衆院内閣委員会の閉会中審査で、「3県の知事とも日々やりとりをしている。よく連携をして対応していきたいと思っている。正式に要請があれば速やかに検討し、必要であれば機動的に対応したい」などと述べた。(西村圭史、足立優心)

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