香港、国安法で初の有罪認定 「時代革命」の旗を掲げる

有料記事

香港=奥寺淳
[PR]

 香港高等法院は27日、昨年7月に「香港を取り戻せ」などと書かれた旗を掲げてバイクで警官にぶつかった元飲食店店員の唐英傑被告(24)に対し、香港国家安全維持法国安法)違反が成立するとして有罪と認定した。昨年6月末に反体制的な行為を取り締まるため施行された国安法による有罪認定は初めて。今後、情状面の審理などを経て量刑が言い渡される。

 裁判所の理由書によると、唐被告は国安法が施行された翌日の昨年7月1日、バイクの後部に「光復香港 時代革命(香港を取り戻せ 我らの時代革命だ)」と書かれた旗を掲げ、警察の規制線を突破し、警官3人にぶつかってけがをさせた。

 裁判官は、スローガンに香港を中国と分離させる意味があるのは明らかだと指摘。この日は各地で反政府デモが起きており、「今回のような特殊な状況でこうした旗を掲げることは、他人に国家分裂を扇動することにあたる」とした。さらに重大な暴力で社会に危害を与えたとも述べ、同法が禁じる国家分裂とテロ行為に当たると判断した。

ここから続き

 一方、香港メディアによると…

この記事は有料記事です。残り366文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    倉田明子
    (東京外国語大学総合国際学研究院准教授)
    2021年7月28日9時47分 投稿
    【視点】

    この裁判では、国家分裂煽動罪の成立の根拠として、「光復香港 時代革命」のスローガンが「香港独立」を主張するものであると判断されるかどうかが注目されていました。審理の過程では、検察側、弁護側の双方が学者を参考人として呼び、「光復」や「革命」の

    …続きを読む