ワクチン接種巡る首相の楽観論は「誤り」 専門家が懸念

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田伏潤
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 菅義偉首相が繰り返す「高齢者に対するワクチン接種が進んで重症者が減ってきている」というアピールに対して、感染症の専門家たちから懸念の声が上がっている。「楽観的過ぎる」との危機感で、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は21日、記者団に「入院調整で困っている人も増えている。自宅で(療養して)いる人も増えている」と強調した。

 感染状況について首相は21日も記者団に「65歳を超える重症化の一番多いといわれる高齢者の皆さんの感染者は4%を切ってます。ワクチン接種というのは大きな効果が出ている」と誇った。首相官邸幹部も「結局のところ、医療体制の問題。心配することはない」と語っており、こうした姿勢に対して専門家の不満が高まっている。

 尾身氏は「ワクチンがあるので、高齢者の重症者数が少ないということが強調されているが、日本の場合、入院の患者さんはどんどん増えている」とした。「人流がなかなか落ちません。重症者が少ないからというイメージがあるので」と述べ、楽観論が広がるため、緊急事態宣言が出ても人の流れが減らないとの認識を示した。

 分科会メンバーの舘田一博・…

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