モデルの誘いを断った「アナコンダ」 あこがれは谷亮子

柔道

波戸健一
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柔道女子 ダリア・ビロディドウクライナ

 周囲は彼女を「アナコンダ」と呼ぶ。柔道女子48キロ級に現れたウクライナの新星、ダリア・ビロディド(20)は大蛇のごとく狙った相手を逃さない。

 この階級で身長172センチは突出して高い。長い手足から繰り出す強烈な内股や大内刈り。両足を絡ませて相手の首と腕を固める「三角絞め」も得意技だ。

 2018年世界選手権を17歳345日で初制覇。18歳27日で優勝した谷亮子(旧姓田村)の最年少記録を塗り替え、柔道界のスターダムを駆け上がった。19年世界選手権で連覇を達成し、「自信になる」とうれし涙を流した。

 父のゲンナジーさんは男子73キロ級で世界選手権3位の実績があり、母のスベトラーナさんも元選手。両親のすすめで幼い頃は新体操を習った。6歳から柔道を始め、父と母の手厚い指導を受けて実力をつけた。

 「柔道でたくさんの目標を成し遂げたい」とモデル事務所からの誘いを断ったという海外の報道もあるが、33万のフォロワーを抱えるSNSを使って私服姿や練習中の写真を積極的に発信。女子柔道の「顔」としてファンを広げている。

 この6月にジャーナリズムを学んでいたキエフ大で学士号を取得した。「力の源」というチョコレートが大好きで、お菓子作りが趣味の20歳。「将来はレストランを持つかもしれない」と夢を語る。

 今年は国際大会に3度出場し、すべて優勝を逃すなど不調や減量苦が伝えられているが、優勝候補の筆頭には変わりない。同じ階級で日本代表の渡名喜風南は「金メダルを獲得するために、必ず倒さなければいけない相手」と言い切る。

 女子48キロ級の先達で、2度の金を含む五輪5大会連続でメダルを獲得した谷さんに憧れる。柔道で金メダル獲得となれば、男女を通じてウクライナ勢で初の快挙となる。女子7階級の先陣を切って24日、畳に上がる。(波戸健一)

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