倒壊から5年、阿蘇神社の拝殿が復活 熊本地震で被災
城戸康秀
2016年の熊本地震で倒壊した阿蘇神社(阿蘇市一の宮町)の拝殿が再建され、12日に竣工(しゅんこう)祭があった。参列者らはヒノキの香りが漂う拝殿で5年3カ月ぶりの復活を祝った。一般の祈願は8月1日の「月次(つきなみ)祭」後から受け付ける。
熊本地震では楼門など国の重要文化財6棟などが被災。今回、拝殿とその両側の翼廊などが再建され、残る主な復旧工事は2023年12月完工予定の楼門のみとなった。
新拝殿の再建用材には地元阿蘇中央高校の学校林をはじめ県産材を約8割使用。耐震補強のため大きな柱の下に鉄筋コンクリート製の地中梁(はり)を設置、鋼管でつなぐ形で柱を固定した。
拝殿正面を飾る大注連(しめ)縄(長さ7・5メートル、重さ約160キロ)は氏子らでつくる「一の宮町大注連縄伝承会」が練り上げた。
旧拝殿の解体撤去を含む事業費7億2558万円は、地震に関わる指定寄付金制度などでまかなわれた。竣工祭を終えた阿蘇惟邑(これくに)宮司は「地震直後はぼうぜんとするばかりで、復興をどうしたらいいか思い悩んだ。この5年間、多くの皆さまから受けたご支援とご協力、励ましに感謝しております」と話した。(城戸康秀)…