「バッハは帰れ」 原爆ドーム前などでデモ 一時騒然

宮城奈々 福冨旅史
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 IOCのバッハ会長の訪問に合わせ、広島市中区平和記念公園は一部が立ち入り禁止になった。すぐそばでは抗議デモがあり、約40人が「CANCEL THE TOKYO OLYMPICS」などと書いた東京五輪の中止を求めるプラカードを掲げて練り歩いた。バッハ氏が献花している最中も「バッハは帰れ」「平和を利用するな」などの声が上がり、多くの警察官が集まるなど騒然とした。

 原爆ドーム前でも「被爆地を利用するな」「どこが平和の祭典だ」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げる抗議デモがあった。主催した「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」事務局の門田直子さん(38)は「平和を五輪開催のために利用している。広島は歓迎していないという意思を示したい」と話した。

 立ち入りを制限する柵の前には一時、人だかりもできた。広島市中区の八木隆幸さん(78)は「被爆者を慰霊しようという気持ちは大歓迎」としつつ、疑問も感じたという。3歳の頃に市内の自宅で被爆。平和記念公園を散歩して慰霊碑に手を合わせるのが日課だったが、この日は中に入れなかった。「柵まで作って、原爆で亡くなった方々に何を誓ったのか。心の内を聞いてみたいね」(宮城奈々、福冨旅史)

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