「五輪バブル穴だらけ」指摘に丸川五輪相「処分求める」

北見英城 小手川太朗
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 東京五輪で来日した選手団や関係者に関し、一般人との接触を避ける行動制限が守られていない問題が指摘されている件で、丸川珠代五輪相は15日の参院内閣委の閉会中審査で、「組織委員会に対して、不正事例について早急に対象者を特定、把握し厳格な処分を行うことを求めた」と語った。

 五輪では、選手らの宿泊地や競技会場を大きな泡で包むようにして外部と隔離する「バブル方式」が取られている。しかし、NHKの報道番組などで、来日したばかりの五輪関係者らが選手村周辺を散歩する様子が報じられた。

 これを受け、野党側は五輪関係者への監視が機能していない可能性があるとして追及している。立憲民主党塩村文夏氏は「バブルに穴が開きまくりだ。東京での感染拡大は絶対に防がないといけない」と述べ、五輪関係者の行動制限のルールなどをまとめた「プレーブック」の改訂などを求めた。

 これに対し、丸川氏は14日付で、五輪組織委に不正事例を把握するよう求めたと明らかにした。ルールに違反した五輪関係者について、丸川氏は「どのような処分を行うかという方向性を本日中(15日中)に回答いただく」とも話した。

 丸川氏はさらに、宿泊施設に配置する監督者の態勢の強化のほか、「プレーブック」の内容をわかりやすく示したチラシの作成、専用食事会場の確保なども組織委に要求したとした。

 組織委は15日夜、「アクレディテーション(資格認定)の剝奪(はくだつ)や金銭による制裁に至るケースはないものの、厳重注意などを行っているケースはある」とコメントし、不正事例の把握に努める考えを明らかにした。

 一方、成田空港を視察した菅義偉首相は15日、記者団から、バブル方式がきちんと守られるのかと問われ、「IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長に強く指摘をした。大会組織委員会とIOCが連携をしながら、しっかりやってほしい。できると思う」と語った。(北見英城、小手川太朗)

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