ヤングケアラー、中3・高校生で177人が疑い 奈良
大人の代わりに家事や家族の世話を日常的にする「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもについて奈良県教育委員会は14日、県内の中学3年と高校で調査をした結果、計177人でその疑いがあると定例会で公表した。今後、相談や支援を始める。
県教委は6月、公立中の中3と公立高校の全生徒を対象にオンラインでアンケートを実施した。中3の86・8%、高校生の67・2%が回答した。
調査結果によると、週3日以上で平日1日あたり3時間以上の家事や家族の世話をしている生徒は中3で76人、高校生で101人だった。177人に家事や家族の世話の内容について聞いたところ、上位5項目は中高生とも、食事の準備などの家事▽きょうだいの世話▽外出の付き添い▽愚痴を聞くなど感情面のサポート▽見守りの順だった。
また、中3で43・4%、高校生で30・7%の生徒が家事や家族の世話で心身に何らかの「きつさ」を感じていると回答した。
県教委はこうした生徒について、各高校や中学校を所管する市町村教委と情報を共有し、県教委に設けた相談窓口からメールを送って話を聞いたり、学校で面談をしたりして、具体的な支援の方法を探るという。
委員会後の会見で吉田育弘教育長は177人が確認されたことについて「1日7時間も家事や家族の世話をする子どもがいる。なんとか助けてあげたい」と話した。(渡辺元史)
- 【視点】
私が運営する生活困窮世帯の支援現場にも「ヤングケアラー」という状況にある子どもたちは多く通ってきています。ひとり親世帯で親の帰りが仕事で遅い時に小さな兄弟の世話をしないといけない子ども、生活保護世帯で親が身体障害を持っていてヘルパーさんのい
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