学術会議 私が外された理由と「6」の意味 加藤陽子氏

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聞き手 編集委員・塩倉裕
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 日本学術会議の会員に推薦されながら、菅義偉首相によって任命を拒否された問題が報道されてから9カ月余り。歴史学者の加藤陽子さんがインタビューに応じた。1930年代を中心にした戦前の日本近代史の研究で知られる加藤さんは、拒否した理由を説明せず、批判されても見直しに応じない現政権を、どう見ているのか。

 ――菅首相が6人の任命を拒否したと報道されたのは昨年10月でした。自身の任命が拒否されたことをどのように知ったのですか。

 「9月29日の午後5時ごろに学術会議の事務局から電話があり、任命されなかったと伝えられました。『寝耳に水』という言葉が実感として浮かびました。私のほかにも任命されなかった推薦者が誰かいる、とも言われています」

 ――詳細に覚えているのですね。日時は確かなのですか。

 「確実です。私はこの件が始まって以降、記録として残すために日記をつけていますので」

 「日記には学術会議のことだけでなく、その日の新規感染者数などコロナ禍の情報も書いています。社会の雰囲気や同時代的な偶然性も含めて記録するためです」

「文書が存在するかどうかも答えない」と回答してきた政府。「6人」という数字の意味は。加藤陽子さんへのロングインタビューです。

 ――拒否された6人の中で見ると、加藤さんはこの問題について人前であまり語っていない印象があります。会見には出ましたか。

 「出ていません。ひと様の前…

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