障害者支援「当事者目線で」 県の委員会が初会合
土屋香乃子
神奈川県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で起きた殺傷事件を機に、県の障害者福祉のあり方を考える委員会の初会合が9日、県庁であった。障害当事者の目線に立った支援を議論していくことを確認した。
委員会は福祉関係者や当事者など10人の委員で構成。県がめざす約20年後の障害者福祉のあり方を展望しつつ、中短期的な課題について議論することを目的に設置された。月1回開かれ、年度内に報告書を取りまとめるという。
委員長に選ばれた日本社会事業大学専門職大学院客員教授の蒲原(かもはら)基道氏は「(当事者の)自分らしい生活を実現するためにどんなことをすれば良いのか、皆さんの意見を踏まえながら考えていきたい」とあいさつした。
県は事件をきっかけに、同園を含む県立障害者施設での支援内容を検証してきた。今年3月には県が設置した「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会」が、県立の6施設で要件を満たさない身体拘束などの不適切な支援が確認されたとして、支援技術の向上などを提言する報告書を公表している。