自民・山口選対委員長が引退意向 菅首相の初当選同期

楢崎貴司
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 自民党選挙対策委員長の山口泰明衆院議員(72)=埼玉10区=が、次期衆院選に立候補せず、引退する意向を明らかにした。選対委員長の職については秋までに行われる次期衆院選まで続けるという。

 朝日新聞の取材に山口氏は「次の選挙に出ても緊張感を持って仕事が出来ないと考え、総合的に今期で引退を判断した」と答えた。また、選対委員長については「政治の総決算で力を尽くしたい」と続ける考えを示した。

 引退については、6日に後援会の会合で正式に表明し、その後、記者会見を開いて説明するという。

 山口氏は、1996年の衆院選で初当選し、当選7回。内閣府副大臣や外務政務官を務め、2015年10月に自民党を支持する業界団体とのパイプ役である組織運動本部長に就任。昨年9月の党総裁選で菅義偉総裁(首相)が選出されたことに伴う党役員人事で、党運営の中心である「党四役」の一つで、国政選挙の公認調整を担う選対委員長に就任した。

 菅氏とは初当選同期で近い関係にあり、総裁選の際には、自身が所属する竹下派の代表として菅陣営の事務総長を務めた。

 菅政権をめぐっては、首相と近い小此木八郎衆院議員が横浜市長選(8月22日投開票)に立候補するため、6月25日に国家公安委員長を辞職したばかり。秋までに行われる衆院選を控えた時期に政権の中枢人物が相次いで去ることが明らかになり、政権への影響が予想される。(楢崎貴司)

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    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2021年7月3日22時22分 投稿
    【解説】

    山口泰明さんの選挙区である衆院埼玉10区は、与野党の勢力の差が小さい激戦区。2017年衆院選の山口さんの得票率は48%で、野党統一候補との一騎打ちになった場合をシミュレーションすると、大激戦になりうる選挙区とみられています。自民党の選対委員

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