ママ選手を特別だと思って欲しくない 支える夫の願い

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加藤秀彬
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 陸上女子100メートル障害の日本記録保持者、寺田明日香=ジャパンクリエイト=が31歳で初めてオリンピック(五輪)代表に内定した。引退、出産、ラグビー選手を経て再び陸上へ。異例の挑戦を支えた夫には、「母親が活躍できる環境が当たり前になってほしい」という思いがある。

 「オリンピックになかなか行けなくて、一度陸上を引退してしまった。もう行くことはないと思っていたので、とてもうれしい」

 内定の一報を受け、寺田は喜んだ。6月の日本選手権では11年ぶりに優勝。五輪の出場資格を決める世界ランキングでも30位となり、上位40人の参加資格を満たした。

 寺田は2019年シーズンから陸上に復帰し、3年目。「ママアスリート」を貫いてきた。

 練習は週に4日。トップ選手としては少なく見えるが、そのうち3日は午前と午後の2部練習。ハードな練習も家事もこなしながら、メディアへの出演は積極的に続けてきた。

 「知ってもらわないと意味がないので。特に最初のころは、基本的に取材を断りませんでした」

 寺田の夫でマネジャーの佐藤峻一さん(38)はこう説明する。テレビや新聞には長女の果緒ちゃん(6)もたびたび登場する。

 佐藤さんは早稲田大学大学院でスポーツビジネスを学び、日本陸上競技連盟の職員としても6年余、働いた。家族を含めて私生活をこれほど表に出すアスリートも珍しい。そこには佐藤さんなりの考え方がある。

 「寺田は元々、メディアに出たがりではありませんでした。でも、彼女の活躍は社会的な意義があるし、『ママアスリート』というからには娘の姿も見てもらった方が良いですよね」

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 寺田の人生はジェットコース…

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この記事を書いた人
加藤秀彬
スポーツ部
専門・関心分野
陸上、サッカー、海外スポーツ