オマーン湾で日本企業所有のタンカーに攻撃 2人が死亡

ドバイ=伊藤喜之
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 中東オマーン沖のオマーン湾で29日、日本の企業が所有し、イスラエル系の企業が運航していた石油タンカーが攻撃を受け、英国人とルーマニア人の乗組員2人が死亡した。AP通信などが伝えた。イスラエル政府はイランの攻撃だとする非難声明を出した。

 AP通信や船舶の登録情報によると、攻撃を受けたのは愛媛県今治市にある海運会社が所有するリベリア船籍のタンカー。イスラエルの富豪イアル・オファ氏が所有する英ロンドン拠点の海運会社が運航していた。タンザニアのダルエスサラームからアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラに向かっていたが、積み荷はなかったという。

 イスラエルメディアはイスラエル当局情報として、ドローン攻撃を受けた可能性があると報じている。イスラエルのラピド外相は声明で、イランの犯行だと主張し、「イランはテロ行為や破壊活動の輸出国だ。世界はイランのテロに対して沈黙してはならない」と非難。英国政府に対し、英国人らの犠牲を受けてイランへの強硬な姿勢を示すよう要請したという。

 現場は海上交通の要衝ホルムズ海峡に近い、イランにも面したオマーン湾。同湾では、今年2月にもイスラエル企業が所有する貨物船で爆発があった。付近の海域では2019年5月からUAEやサウジアラビア、日本などのタンカーを狙った攻撃が相次いだ。イランの犯行と主張する米国が主導して「有志連合」(国際海洋安全保障構成体)を結成し、同年11月から警戒・監視活動が続いている。(ドバイ=伊藤喜之)

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