高プロの「健康管理時間」初公表 月300時間以上も

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専門記者・木村裕明

 高年収の専門職の人を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入企業に把握が義務づけられた「健康管理時間」の集計結果を、厚生労働省が初めて公表した。健康管理時間は在社時間と社外で働いた時間の合計。集計対象の全17事業場で月200時間以上、うち6事業場で月300時間以上の社員がいた。高プロ適用者の長時間労働の傾向が、初めて定量的に明らかになった。

 高プロは2018年6月に成立した働き方改革関連法に盛り込まれ、19年4月に施行された。導入から2年が過ぎたのを機に、適用者の健康管理時間や休日などに関して労働基準監督署に定期報告をした事業場について集計した。今年3月末時点で高プロを導入しているのは20社の計21事業場で、適用者は552人。

 健康管理時間が最長の対象社員を事業場ごとに調べたところ、6事業場で月300時間以上400時間未満、残る11事業場は月200時間以上300時間未満。全17事業場で月200時間以上の社員がいた。月300時間以上の社員がいたのは、コンサルタントかアナリストの職場だった。

 健康管理時間が月300時間…

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この記事を書いた人
木村裕明
経済部|財界・民間企業担当
専門・関心分野
企業経営、働き方、ダイバーシティー、企業による社会課題解決、障がい児・者との共生社会
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    千正康裕
    (株式会社千正組代表・元厚労省官僚)
    2021年6月30日8時28分 投稿
    【提案】

    時間で成果を上げるタイプではない業務は増えているので、高度の専門性を有する交渉力の高い労働者に、労働時間規制とは別の仕組みを導入することは一定の合理性はあると思う。一方で、どのような労働者にとっても健康を確保しながら働くことは、基礎的な権利

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2021年6月30日14時29分 投稿
    【視点】

    気をつけて読み解いた上で、議論するべき記事です。 デジタル版の記事の方が圧倒的に親切です。というのも、もともとの資料では「業務の種類」「労働者数」「労働者の1か月当たりの健康管理時間(最長の時間)」「労働者の1か月当たりの健康管理時間

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