「在日ミャンマー人の励ましに」支援続ける神戸の団体

鈴木春香
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 【兵庫】ミャンマー国軍のクーデターに対する抗議集会を神戸市で開き続けてきた団体が20日、現地のいまを伝える市民向けイベントを市内で開く。クーデターから4カ月以上が経つなか、関心をつなぎとめたいと願う。

 今月6日、神戸市兵庫区の湊川公園。強い日差しが照りつける中、約70人のミャンマー人たちが集まり、「私たちのリーダーを解放せよ!」などと抗議の声を上げた。任意団体「ミャンマー関西」(長田区)代表の猶原信男さん(69)が、その様子を見守っていた。

 団体は、クーデターが発生した2月から毎月、県内在住のミャンマー人らと協力して抗議集会を開催してきた。「サポートする日本人がいることが在日ミャンマー人らの励ましになる」との思いがある。

 2014年から、在日ミャンマー人への日本語教室、ミャンマーの子どもたちに鉛筆やぬいぐるみを贈る支援をしてきた。コロナ禍が広がった昨年5月以降は、アルバイト先が見つからない留学生らに食べ物や衣類を配ったり、仕事探しを手伝ったり。支援の対象者は昨秋には50人ほどに増えた。

 異国での生活苦に悩むミャンマー人たちにとって、母国でのクーデターは不安に拍車をかける出来事だ。

 猶原さんは食料配布などを通じ、日本語のつたない彼らに身ぶりを交えて生活の様子を尋ね、母国の家族のことも気遣う。母親が国軍の抑圧から逃れ、身を隠しながら生活しているという留学生の女性(23)は「不安もあるけど、色々助けてくれる猶原さんは親みたい」とほほえむ。

 猶原さんは、こう語る。「アウンサンスーチー政権で民主化と経済発展が進んだが、5年ほどで全てが変わったわけではない。ミャンマーでの仕事は限られ、夢を持って日本に来る若者はたくさんいる」

 クーデター後の混乱に苦しむミャンマーに少しでも関心を持ってもらうことが、ミャンマー人らが安心して帰れる国づくりにつながると信じて行動する。

 20日のイベントは午後2~4時、灘区の神戸学生青年センターで開く。ミャンマーの現状について映像を交え、在日ミャンマー人が解説する。参加費は千円。一部はミャンマー支援のために使う。問い合わせは同センター(078・891・3018)。(鈴木春香)

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