女子初の1500M五輪代表へ 田中希実の緻密な戦略
辻隆徳
数ある陸上競技の五輪種目の中で、日本の女子選手が出場したことすらないのが、1500メートルと三段跳びだ。1972年ミュンヘン五輪から始まった女子1500メートル。女子5000メートルで東京オリンピック(五輪)代表に内定している田中希実(豊田自動織機TC)は、その1500メートルの代表切符をかけ、日本選手権(6月24~27日・大阪)に出場する。
「(日本選手権の)1500メートルは参加標準を切っての優勝が理想。優勝するというのは最低限」。1日に開催された木南記念の1500メートルで優勝した田中は宣言した。
あと1秒07。同種目の日本記録保持者でもある田中の自己ベストである4分5秒27と、五輪参加標準記録である4分4秒20の差だ。21歳と伸び盛りの田中なら到達可能な数字だ。
田中希実選手の強行スケジュールの意図とは何か。後半では、前日本記録保持者の小林祐梨子さんにも、田中選手の将来性についても聞きました。
標準記録を突破したうえで、日本選手権3位以内ならば代表内定となる。ただ達成できなかった場合も見据え、「チーム田中」は五輪から逆算して対策を練ってきた。
田中は3月21日から5月1…