「塩顔」埴輪、1500年前もモテた?全国巡回でも人気

有料記事

編集委員・小泉信一
[PR]

 もてるタイプとして芸能界などで注目されている「塩顔(しおがお)」。色白であっさりした印象があり、はかなげな雰囲気が特徴だ。でも約1470年前の古墳からもそんな顔をした埴輪(はにわ)が出土したという。自分の目で確かめたくて会いに行った。

 群馬県南部の玉村町。町歴史資料館を巡ると「人面付円筒埴輪」(復元高63センチ)がガラスケースの中に展示されていた。

 手などはなく、素朴な造形。上部にある突起は四つ認められ、冠を表しているという。切れ長のまなざしは確かに涼しげ。鼻筋が通った顔立ちからは若さと威厳も感じさせる。

 「まさに塩顔です」と中島直樹・文化財係長。1998年1~3月に行われた「小泉大塚越(おおつかごし)7号古墳」(550年ごろ、同町飯倉〈いいぐら〉)の発掘で見つかったという。

 2018年、県内で出土した埴輪の人気ナンバーワンを決める「群馬HANI―1(はにわん)グランプリ」に、この埴輪も出展。その際、「塩顔埴輪」と歴史資料館は名前をつけた。キャッチコピーは「切れ長の瞳に射抜かれたい 埴輪界きっての塩顔イケメン」。県内各地から推薦された100体の埴輪の中で、8位に入った。

 「最初はせんべいのかけらのようにバラバラの状態で出てきたそうです。復元した人は、ああいう顔になったので驚いたでしょう」

 昨年は「発掘された日本列島2020」展(文化庁など主催)に出品。全国各地を巡回したが、塩顔埴輪はどこでも人気があったという。

 それにしても、玉村町の歴史…

この記事は有料記事です。残り378文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません