「日本落ちるだけ」官僚選ばぬ東大生 めざす安定の形は

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根岸拓朗
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 東大生の「官僚離れ」が止まらない。中央省庁の幹部候補になる国家公務員総合職試験の合格者のうち、昨年の東大出身者は249人で過去最低。2015年度の459人から200人以上減った。今年度の合格者の発表は今月21日。いまの東大生の目に、「霞が関」はどう映るのか。

 「就職を本格的に考え始めたとき、官僚は『ないな』と思ったんです」

 そう話すのは東大4年の山田碩人(ひろと)さん(21)。

 1年余り前、別の話題で取材をしたとき、まだ2年生だった彼は「将来は官僚も考えている」と語っていた。

疲れ切った先輩の顔

 しかし、就活で彼が選び、内定を得たのは外資系コンサルティング企業だった。

 なぜ霞が関は「ないな」とな…

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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2021年6月16日10時53分 投稿
    【視点】

    「やりがい」と「過酷な労働環境」との間で学生たちが就職するか迷っている状況は、学校の教員をめぐる状況とそっくりです。大学などで取材していると、「世の中の役に立つ仕事に就きたい」と考える学生は、以前よりもかなり増えてきています。給料は低くても

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