運動会でまさかの「やけど」 原因はダンスの足もと
真夏を思わせる暑さが続いています。この時期、運動会の演目や体育の授業などで、子どもたちが長時間、「はだし」で過ごしていませんか? 校庭の表面が思わぬ熱さになっていて、「やけど」を負うことも。実際に診療した医師が注意を呼びかけている。
足の裏に水ぶくれが
「足の裏が痛くて、歩くのがつらい……」
6月初旬、横浜市の「ふくろ皮膚科クリニック」を受診した小学校高学年の女子児童がこう訴えた。
袋秀平院長が診察すると、女子児童の足の裏には、親指の付け根などに水ぶくれができていた。「低温やけど」の症状だ。やけどによる皮膚損傷の度合いは、3段階中の2度だった。痛みを和らげるため、炎症を抑える塗り薬を処方し、経過観察中だ。
受診の前日、児童は校庭で行われた運動会に参加しており、ダンスなどの演目に出ていた。1時間近く、足元はずっとはだしの状態。途中から足裏に痛みを感じはじめ、終わるころには、友達の肩を借りないと歩けない状況になった。1日経っても痛みが引かないことから受診したという。
袋院長によると、こうした症例が目立ち始めたのは2019年ごろから。いずれも、運動会の練習や当日、はだしのまま校庭で長時間過ごしていたことが共通していた。
低温やけどは、短時間の皮膚の接触では問題ない温度(約45~50度)でも、連続して皮膚と接することで起きるやけどだ(46度で30分~1時間、50度では数分程度)。熱さに気づかずに触れ続け、皮膚の奥深くまで損傷することがある。
袋院長は「校庭の地面が、やけどを引き起こすほどの熱を持つことは、ほとんど知られていないのではないか」と危惧する。これまでにも、気温が27度前後のときでも、はだしで低温やけどになったケースもあったという。
夏場の校庭、高いリスク
建設大手の大成建設の研究(…
- 【解説】
裸足の体育活動による低温やけどは、ほこりが出にくいよう、校庭に全天候型の舗装がされている都市部の学校で起きやすい傾向があるようです。校庭の舗装を扱う企業によると、遮熱塗料を塗ることで表面温度は下がりますが、それでも夏場は50度くらいになると
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