「環境守ればもうかる社会に」 京大院生は起業を選んだ

【動画】いきものコレクションアプリの運営で注目を集めるベンチャー企業のバイオーム(京都市)。藤木庄五郎・代表取締役がサービスにかける思いを語った=井東礁撮影
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 生き物を探し、撮影すれば自動で名前判定ができるアプリ――。正式リリースから2年で25万ダウンロードを突破するほどの人気だ。この生物情報アプリ「Biome(バイオーム)」を生み出したのが京都大発ベンチャー、バイオーム(京都市)。SDGs(持続可能な開発目標)の達成につながる「生物多様性の保全」を経済活動と両立させるという難題に挑んでいる。井東礁

 アプリの生みの親で同社の代表取締役を務めるのは藤木庄五郎(32)だ。京大院生時代から生物多様性を守ることを研究テーマに掲げてきた。博士号まで取得した。選んだ道は研究者でもNPO法人の立ち上げでもなく、起業だった。

 原点は東南アジア・ボルネオ島での光景にあった。

 「360度、地平線まで伐採し尽くされていた」

 2012年から5年間、藤木は度々島を訪れてキャンプ生活を送った。眼前に広がる伐採跡地は、本来なら多くの野生生物が暮らしているはずの熱帯林だった。食品や化粧品に使われるパーム油を得ようと、多くのアブラヤシを植えるなどするため伐採された。

 「経済のエネルギーはすさまじい」。やるせなさだけが募った。

解決の糸口は…お金や欲に根付いた何か

 当時は京大院農学研究科に在…

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