貨物船捜索、機関室にたどり着けず 機関士らいた可能性

足立菜摘 長田豊
【動画】行方不明となった貨物船乗組員3人の捜索をする海上保安庁のダイバーら=朝日放送テレビヘリから、高橋伸竹撮影
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 愛媛県今治市沖の来島(くるしま)海峡付近で27日深夜、神戸市の海運会社プリンス海運が運航する大型貨物船「白虎(びゃっこ)」(1万1454トン、12人乗り組み)が外国船と衝突し、沈没した事故で、海上保安庁は29日、行方不明になっている白虎の乗組員3人の捜索を続けた。潜水して海底に沈んだ船の内部を中心に調べたが、手がかりは見つかっていない。

 今治海上保安部によると、潮流が弱まる時間帯を見計らって、28日昼から約6時間おきに特殊救難隊員らが潜水。船尾付近から船内に入って捜索している。水深約60メートルの海底に転覆して沈んでいる船体(高さ約30メートル、長さ約170メートル)の捜索は、海中で活動できる時間が十数分と限られ、潮流も速いため、難航しているという。

 行方不明になっているのは、船長の佐藤保さん(66)=山形県鶴岡市▽1等機関士の小川有樹さん(27)=北海道北斗市▽2等機関士の上畠隆寛さん(22)=鹿児島県枕崎市

 ダイバーらは事故当時に機関士2人がいたとみられる機関室を目指して捜索を試みているが、29日までの捜索ではたどり着けていないという。

 白虎と衝突したマーシャル諸島船籍のケミカル船ウルサン・パイオニア(2696トン、13人乗り組み)は、事故の衝撃で海底に落ちたいかりが巻き上げられず、現場海域に停泊したままでいる。海保は業務上過失往来危険などの疑いで、双方の航行状況を調べており、29日からケミカル船の外国人船員を数人ずつ上陸させ、任意の事情聴取を始めた。

 国の運輸安全委員会の船舶事故調査官も乗組員の聴取などを進めており、30日は停泊中のケミカル船に乗り込み、船体の損傷状況などを調べる予定。(足立菜摘、長田豊)

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