石破氏、安倍氏に不快感 ポスト菅を「決めるのは党員」

山下龍一
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 自民党石破茂・元幹事長は28日、TBSのCS番組の収録で、安倍晋三前首相が月刊誌のインタビューで「ポスト菅」に4人の名前をあげたことについて、「決めるのは自民党員で前総理ではない」と不快感を示した。また、安倍氏の首相再々登板の可能性についても、7年8カ月続いた第2次安倍政権の検証が先だと否定的な考えを示した。

 安倍氏はインタビューで、菅義偉首相の後任候補として茂木敏充外相、加藤勝信官房長官下村博文政調会長岸田文雄元外相の4人をあげた。一方、安倍氏と2度総裁選で争った石破氏には触れなかった。

 石破氏は番組収録で、安倍氏の発言に不快感を示しつつ、「安倍さんがいろんな事情で(首相を)やめて、菅さんが厳しい中、(安倍氏の総裁任期の)残りの任期でやっている。それを支える気持ちがないはずがない」とも語った。

 また、安倍氏の再々登板が取りざたされていることに「安倍政権8年の評価がまず先にあるべきだ」と指摘。「きちんと検証しないまま、『夢よもう一度』みたいな(ことでなく)、日本政治のあり方として別の道もあるんじゃないか」と述べた。

 石破氏は昨年秋の党総裁選に敗北後、石破派(水月会)の会長を辞任。現在は菅政権を支える姿勢を示し、安倍政権時代のような表だった政権批判を控えている。次期総裁選への立候補の可能性についても明らかにしていない。

 また、この日の収録では、2019年参院選の広島選挙区をめぐり、自民現職だった溝手顕正氏への一本化を求めた県連に対して、党本部が主導して河井案里氏を追加公認したことに言及。結果、溝手氏が落選したことをめぐり、石破氏は自身が幹事長だった13年参院選を振り返り、当時も溝手氏のほかに「もう1人(候補を)立てたいとの強い意向が安倍総裁からあった。リスクが大きすぎるので、私はできませんと申し上げた」と明かした。

 そのうえで、19年参院選に2人の候補を立てた党本部の判断の検証が必要だとの考えを示した。

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この記事を書いた人
山下龍一
世論調査部
専門・関心分野
国政、地方自治、トライアスロン