ロープあったが…ため池転落、どう防ぐ?香川で父子溺死

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堅島敢太郎

 香川県丸亀市のため池(通称・原池)で、釣りに訪れた父親と男児が亡くなる事故が起きてから2週間余り。2人は池に転落しておぼれたとみられるが、県内には約1万2千のため池があり、同様の死亡事故が相次ぐ。朝日新聞が県内全17市町の役所や消防に確認したところ、過去10年で少なくとも42件発生していることがわかった。

 現場は丸亀市綾歌町の山中。父子は隣の綾川町に住んでいた。池はすり鉢状で最深部は約6メートル。転落すれば、大人でもはい上がるのは困難とみられる。

 この池では2011年にも釣り中に転落した女性が亡くなっている。事故後に設置された注意喚起の看板は劣化し、支柱だけが残っていた。転落防止のロープも張られていたが、市は今回の事故を受け、保護柵を新たに設置するという。

 ため池の管理者に助言や指導をする「香川ため池保全管理サポートセンター」(高松市)の白川邦明センター長は、事故現場の斜面には浸食防止のゴムシートが張られ、「池から上がる際に表面のぬめりで足がかからなかったのでは」と指摘する。浸食対策には一般的に突起があるコンクリート製のブロックを使うが、費用が約10分の1で済むゴムシートで代用する池も多いという。白川センター長は「維持費など管理者の負担が大きく、こちらから新たな安全対策を促すのは難しい」と話す。

過去の死亡事故、管理者に1115万円の賠償命じる判決も

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 釣りスポットとして知られ…

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