第11回靖国参拝、安倍氏の強行と封印 「失望」米声明の裏で

【動画】安倍前首相とトランプ米大統領の蜜月は、日本にどんな利益をもたらしたのか。安倍外交の功罪とは。

失望している――安倍首相の靖国参拝に、米国は厳しい声明を出して反応した。この声明について、多くの日本政府関係者は、当時副大統領だったバイデン現大統領が主導したと証言する。

[PR]

「未完の最長政権」第3部第11回

 2013年12月26日、首相の安倍晋三靖国神社参拝を受け、米政府は異例の表現で参拝を非難する声明を出す。

 「日本は大切な同盟国であり、友人です。しかしながら、日本の指導者が隣国との緊張を悪化させる行動をとったことに、米国は失望している」

 「米国は、首相が過去への反省と平和に対する責任の再確認を表明するか注視している」

 首相官邸を揺さぶったこの声明について、多くの日本政府関係者は「バイデン副大統領が主導した」と証言する。日米同盟重視を日本外交の基軸に掲げる安倍にとって、思いがけない米国の強い反発だった。

 バイデンは中国国防省が尖閣諸島上空を含む「防空識別圏(ADIZ)」を独自に設定したと発表した直後にアジアを歴訪。12月3日の安倍との共同会見で日韓関係の改善を促し、「これは日本の国益だけでなく、米国の国益でもある」と強調したばかりだった。

【プレミアムA】 未完の最長政権 第3部

「外交の安倍」。2012年に首相の座に返り咲いた安倍晋三前首相はそう呼ばれた。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、訪問国は80カ国を数える。「未完の最長政権」第3部では、安倍外交の内実を検証する。

 同月6日の韓国大統領の朴槿…

この記事は有料記事です。残り879文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら