プラごみ処分、分別派と焼却派に二分 自治体の言い分は
海洋汚染の原因になっているプラスチックごみ。正しくごみを出したいと思う人ほど、分別で悩むことが多いのではないだろうか。「ネバネバの残る納豆の容器は?」「中を洗うのが難しい調味料の小袋は?」。自治体によってプラごみの出し方は異なり、群馬県内12市でも分別収集派と焼却処分派に二分される。事情を探った。
家庭から出るプラスチック製容器包装のごみが、大量に運び込まれる前橋市の荻窪清掃工場。容器類はベルトコンベヤーに乗せられ、作業員がスプレー缶などの「異物」や汚れたプラごみを取り除いていく。
柳井隆信工場長に解説してもらった。
「ここで集めているのは、『プラ』マークがあるプラスチック製容器包装。マークのない薄いビニールやストロー、汚れのあるものは、はじきます。家庭ではマークがあるか、ないかで分別してください」
液体や油がついていたら、どうしたらいいのか? 「軽く洗って落とせるものはリサイクルに、汚れが落ちないものは燃えるごみに出してください。汚れがあると、周りの包装容器も汚れてしまいます」
洗いにくい調味料の小袋などは可燃ごみに出してよいのだという。納豆の容器について同市ごみ減量課の担当者は、水を入れてしばらく置くと、ネバネバがきれいに取れると教えてくれた。
「異物」などを取り除いた包装容器類は圧縮機で、約1メートル四方の立方体に固められ、回転台の上で大きなラップを巻かれる。これが1日に35個前後でき、今年度は大手製鉄会社で鉄の原料のコークスやガスなどに再生されている。
同市のほか、太田、伊勢崎、沼田、富岡の各市が「プラマーク」がある容器包装を分別収集している。ただハンガーや洗面器などの硬いプラスチックについては、伊勢崎市と沼田市が「不燃ごみ」として集めているのに対し、他の3市は「可燃ごみ」として焼却しており、対応が分かれている。
また館林市は、プラマークの有無に関わらず「プラスチックのみでできているもの」を一括回収している。「判別は容易でなく市民に不便をかける」との理由だ。中間処理施設に委託し、容器包装とそれ以外に分けている。
自治体が集めた容器包装は「日本容器包装リサイクル協会」を通じて、再生プラスチック製品の原材料などにリサイクルされている。
分別しない理由は?
一方、県内12市のうち半数…