ナターシャ来館40年 鳥羽水族館のバイカルアザラシ
臼井昭仁
鳥羽水族館(三重県鳥羽市)で飼育されているバイカルアザラシの「ナターシャ」(メス)が17日、来館から満40年を迎え、記念に好物のアユが与えられた。同館によると、国内9施設にいる26頭(1月現在)の中で最高齢。飼育の長期記録も更新し続けている。
ナターシャは1981年5月、旧ソ連からやって来た。当時は生まれたばかりで、体重13キロ、体長72センチ。89年に感染症にかかり、重篤な状態に陥ったこともあったが、その後は順調に成長。現在は体重79キロ、体長105センチになった。
人間でいえば60歳ほどになるとみられ、毎日2キロの魚を食べるなど、ほかの6頭とともに元気な姿を見せている。飼育担当者は長寿の理由について、「生命力が強かったこともあるが、野生動物として一定の警戒心、好奇心があり、集団の中でバランスを保ちながら刺激を受けているためではないか」と分析している。
バイカルアザラシは、ロシア・東シベリア南部のバイカル湖に生息する。世界で唯一、淡水で生きるアザラシで、同館は処理した水道水を飼育に使っている。