元は聖徳太子が建立した施薬院 秘仏を特別開帳

お参りノート

井上正一郎
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 薬を与えて治療を施した四天王寺の施薬院(せやくいん)として、聖徳太子(厩戸皇子(うまやどのおうじ))により593年に建立されたと伝わる「愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)」。

 聖徳太子没後1400年目の節目の今年、秘仏本尊・愛染明王(あいぜんみょうおう)の特別開帳を、6月27日まで毎週土日に行っている。手に持った弓と矢で、人や心を結び付けるとされ、夫婦円満・商売繁盛のご利益で知られる。「家族連れが増えた。コロナ禍ですがる場所を求めて来られるようになったのでは」と山岡武明(ぶみょう)住職。

 境内には、大阪市内最古の木造建造物で国の重要文化財「多宝塔」があり、豊臣秀吉が戦勝祈願のために造らせたといわれる大日大勝金剛尊像(だいにちだいしょうこんごうそんぞう)や、極彩色で描かれた十二天の壁画も納められている。

 大阪三大夏祭りの一つ「愛染まつり」を毎年6月30日から開催しているが、今年は検討中。僧侶による大法要などの仏事はライブ配信で行う予定だ。山岡住職は「感染拡大の状況やオリンピックの動向も踏まえ決断したい」と話す。(井上正一郎)

 《メモ》大阪市天王寺区夕陽丘町5の36、電話06・6779・5800。大阪メトロ地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘」駅から徒歩約3分。拝観無料。

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