首都高の壁、なぜ高さ90cm 事故続くも転落想定せず

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山本孝興 大山稜
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 東京都内を通る首都高から14日早朝、走行中の乗用車が外壁を乗り越え、隅田川に転落した。運転していた20代の男性が死亡し、警視庁が事故原因を調べている。河川上を通る道路なのに、なぜ壁は車が乗り越えてしまう高さなのか。首都高からの転落事故は過去にも起きている。なぜ繰り返されるのか。背景を追った。

 午前4時50分ごろ、首都高向島線の両国ジャンクション付近で事故は起きた。現場はゆるやかな右カーブと左カーブが続くS字のような区間。2車線から1車線になる付近だった。

 首都高や捜査関係者によると、乗用車はまず道路左側の外壁に接触した後、右側に突っ込み、約15メートル下の川に転落した。乗り越えたコンクリート製の外壁の高さは約90センチ。その手前にあった高さ40~50センチの緩衝材を踏み台のようにして、外壁を乗り越えたとみられている。

 事故の直前、転落した乗用車が前の車を追い抜き、接触を起こす前にブレーキランプがつく様子が防犯カメラに映っていた。付近にブレーキ痕も確認されたという。同庁は、速度超過やハンドル操作に問題がなかったか調べている。

 首都高によると、こうした車両の転落事故は1992年以降、全線で7件確認されている。多くが外壁を乗り越えたケースだ。

 スピードを出す車両が目立ち、河川の上やビルの合間を走る高架なのに、なぜ外壁の高さは90センチなのか。

 首都高の外壁は「壁高欄(か…

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