茨大生が行方のドラマ制作 朗読劇スタイル4夜連続放送
茨城大の学生が茨城県行方市の「なめがたエリアテレビ」と作ったドラマ「私が恋したレンコンボーイ」が10日から放送されている。同大は2018年から市内の企業CM作りに協力してきたが、「コロナ禍のもと、企業に学生が密着するCMではなく、別の形で貢献したいと考えた」という。
制作したのは放送作家で同大人文社会科学部の村上信夫教授(メディア論)のゼミの生徒たち。バス旅もの、バラエティーなど、多くのアイデアの中から、初のドラマ制作を選んだ。
出演者や報道関係者向けの試写会が9日、市情報交流センターで開かれた。大手広告会社の元イベントプロデューサーで、失恋して地元に戻ってきた女性(35)と、14歳年上のレンコン農家の男性のラブストーリー。女性の母、高校時代の同級生、霞ケ浦にすむ妖精らが登場する。
登場人物が演技するのではなく、「朗読劇」のスタイルで、市民や演劇集団などの出演者が話す姿に、霞ケ浦、ショッピングモール、旅館など、地元の映像を織り交ぜてある。
脚本を書いた赤平春菜さん(3年)は「日常生活を通して地元の良さを描けば、市民の心に届くと思った。女性の生き方の多様性も描きたいと考えた」と言う。JAの女性職員ら5人に結婚観や地元の人気デートスポットなどを聞いて、リアリティーを出した。
村上教授は「(脚本の)初心者は登場人物を自分の思い通りに動かしがち。発言や行動におかしな点が無いよう、見えていない部分の設定をきちんとするよう指導した」と言う。
プロデューサーの今野亜美さん(3年)は「本当に登場人物が存在しているかのように仕上がった。ぜひ、第2弾も制作したい」と話している。放送は14日までは午後8時5分~8時45分に行い、その後も時間を変更して放送する。