コロナ禍をきっかけに、各大学が相次いで導入したオンライン授業。その現状と課題を探ろうと、東大が全国の大学教員を対象に調査を実施した。寄せられた回答の自由記述欄には、教員たちの嘆きの声があふれていた。
調査は昨年10月~今年2月、東大の大学経営・政策研究センターが実施。全国の国公私立大の教員約7300人に質問を送り、2996人(回収率41%)が回答した。
「カメラがオフだと、(学生は)いくらでもさぼれてしまう」。国立大の40代教員(人文社会教育系)は自由記述欄でオンライン授業の欠点をそう指摘し、「(授業中に)たまたまカメラがオンになった学生が、外でマラソンをしていることがわかった」というエピソードを紹介した。
また、私立大の40代教員(理工農系)は「対面・オンライン両方で参加できる授業では、対面を希望する学生の多くが、(教室で)他の学生に課題の答えを教えてもらうなど、さぼることを目的としている」とぼやいた。
「学生にさかんにカメラをオンにするように言ったが、従ってくれたのは1~2%だった」(私立、人文社会教育系、60代以上)と嘆く教員もいた。
ただ、教員の側も、全員がオンライン化に十分対応できているわけではない。
私立大の50代教員(人文社会教育系)は訴えた。「どうすれば良い授業ができるかという以前の、技術的な問題でつまずいている人間がいることも気にとめてほしい」
■大学上層部への不満の声も…