糖尿病で激ヤセ体重35キロに インスリンポンプの花嫁

有料記事患者を生きる

服部尚
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 静岡市内でタイ式マッサージ店を経営する谷川史奈子(たにかわしなこ)さん(43)は3年前の初夏、特定健診で血糖値が少し高いため、再検査するよう指摘された。

 自宅近くの医院で、1カ月後に2度目の検査を受けた。しかし、依然として血糖値は高く、「2型糖尿病」と診断された。

やせているのになぜ

 身長は152センチ。高校生のときから体重は変わらず、40~42キロを維持していた。BMI(体格指数)は17程度。22が標準と考えると、やせ気味だった。

 思ってもみなかった診断名に驚いた。「やせているのになんで糖尿病に……。納得できない」

 お酒が好きで週5日、ビールやハイボールを毎回7~8杯は飲んでいた。ただ、お酒を飲みたいために、食事のカロリーは抑えるように心がけているつもりだった。好きなスナック菓子の「じゃがりこ」だけで、一食を済ますこともあった。

 運動も好きだった。毎週のようにジムに通い、汗を流した。ピラティスやキックボクシングに挑戦したこともあった。

 前の年の検査では、とくに異常はなかった。適度な運動もしているし、暴飲暴食もしていない。「それなのに生活習慣病になったのは、腑(ふ)に落ちない」。もやもやした気持ちを抱えながら、薬による治療を始めることになった。

 その年の9月から、糖を尿とともに排泄(はいせつ)するよう促して血液中の糖分を減らす薬をのみ始めた。しかし効果は見られなかった。10月、別のタイプの薬に切り替えた。血糖値を調節するインスリンの分泌を促すホルモンの作用を強めて血糖値を下げる薬と、糖を尿とともに排泄する薬を合わせたのみ薬だった。

 並行して、体重はどんどん減っていった。糖尿病と診断された7月ぐらいから体重が落ち始めていたが、いつの間にか35キロまで減っていた。

 「ダイエットしても、なかな…

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服部尚
服部尚(はっとり・ひさし)朝日新聞記者
福井支局をふり出しに、東京や大阪の科学医療部で長く勤務。原発、エネルギー、環境、医療、医学分野を担当。東日本大震災時は科学医療部デスク。編集委員を経て現職。