防球ネット倒れ、児童死亡 宮城・白石の小学校で放課後

申知仁 福岡龍一郎
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 宮城県白石市半沢屋敷前の市立白石第一小学校で27日午後3時ごろ、校庭に設置された防球ネットの木製の支柱1本が根元から折れ、小学6年の男子児童2人に直撃した。2人は病院に搬送されたが、1人は頭を強く打って死亡し、もう1人もあごの骨が折れる重傷を負った。

 宮城県警白石署によると、亡くなったのは松野翔慎(しょうま)さん(11)。署は27、28両日に実況見分をし、業務上過失致死傷の疑いも視野に教員らから事情を聴く。

 市教育委員会などによると、事故があったのは放課後で、2人を含む同小の児童6~7人がネットに寄りかかったり、揺らしたりして遊んでいたという。ネットは、校庭に埋め込まれた2本の木製の柱で支えられており、折れた支柱は高さ約6メートル、直径約17センチ、重さは約40キロ。留め具などで固定はされていなかった。

 このネットの設置記録は学校に残っていないという。28日午後に記者会見をした同市の半沢芳典教育長は「おそらく20年は経っているのではないか」との見方を示した。

 市教委は学校の遊具に対しては年1回の点検を業者に依頼しているものの、このネットは対象外だった。学校の教員が毎月1回、目視したり触ったりして点検していたが、今月12日の点検時に異常は確認できなかったという。

 半沢教育長は「安心安全であるべき学校という場で、絶対にあってはならない人命に関わる事故が起きてしまった。大変申し訳ない」と謝罪した。事故を受け、宮城県教育委員会は28日、県内すべての公立学校に設備の安全点検を求める通知を出した。

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