調布の陥没、本当に特殊ケース?指摘された「不十分さ」

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山本孝興
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 特殊な地盤条件下での特別な工事が要因――。東京都調布市で昨年10月に起きた陥没について、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は、報告書でこんな認識を示した。東京外郭環状道路(外環道)の工事が原因と認める一方、あくまで特殊なケースだという。地上への影響がないとされる大深度地下工事を検証する。

 陥没場所の地下を通る外環道は、関越道(東京都練馬区)と東名高速(世田谷区)を南北16・2キロのトンネルで結ぶ高速道路だ。大部分が40メートルより深い「大深度地下」を通り、地盤を削る大きな刃の付いた「シールドマシン」(直径16メートル)という掘削機が掘り進める。

 陥没は昨年10月、この掘削機が通過したルートの直上で起きた。閑静な住宅街の市道が長さ約5メートル、幅約3メートルで崩れ、その後の現地調査で3カ所の地下空洞も相次いで見つかった。

 地上では掘削機がこの地域に達した昨年9月ころ、家屋などで振動が起きたり、亀裂が出たりするなどの異変が起きていた。NEXCO側は現地調査をし、国土交通省もトラブルの報告を受けていたが、その最中に陥没は起きた。

 有識者委員会がまとめた報告書は、この陥没や空洞と外環道工事との因果関係を認めた。メカニズムはこうだ。

 陥没場所の地下は地表面近く…

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