台湾問題、米国は「あいまい」で柔軟な対応を 米専門家

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聞き手・園田耕司
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 バイデン米政権はなぜ台湾支援の姿勢を鮮明にしているのか。歴代米政権が守り続けてきた中国の台湾侵攻時の対応を明確にしない米国の「あいまい戦略」はどうなるのか。台湾海峡有事はどの程度現実味があるのか――。オバマ政権の米国家安全保障会議(NSC)中国・台湾・モンゴル担当部長、ライアン・ハス氏(現ブルッキングス研究所上級研究員)に聞いた。

 トランプ政権は中国との「大国間競争」の一環として台湾問題をとらえていたが、バイデン政権は台湾固有の権利の問題だととらえている点が異なる。バイデン政権は台湾問題をめぐっても、民主主義や人権を強化・支援し、供給網(サプライチェーン)を確保して技術革新を加速させることが重要だと考えている。とくに台湾は半導体分野で最先端技術を持つため、台湾支援はバイデン政権の外交政策の中でもプライオリティーがとても高い。

 近年は(中国の台湾侵攻時の対応について明確に姿勢を示さない)米国の「あいまい戦略」の是非が議論されているが、ブリンケン国務長官は米国は台湾関係法に基づき、長年の間守られてきた義務を有しているという認識を明確に示しており、バイデン政権が「あいまい戦略」を変えることはないと思う。私は米国が「あいまい戦略」のもと、台湾問題については柔軟な対応ができる立場を維持することが重要だと思う。仮に米国が立場を変えれば、同様に中国の立場を変えることになる。その結果、台湾の安全が本当に確保されるのか疑問だ。

 米議会では、共和党のリック…

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