トリチウムのキャラ化 復興相「分かりやすいとの声も」

編集委員・大月規義
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 復興庁が東京電力福島第一原発の処理水の安全性をPRするチラシと動画に、放射性物質トリチウム」を表すキャラクターを使っていた問題について、平沢勝栄復興相は16日の会見で「すべての責任は私にある」と述べた。

 不安や懸念を持つ方がいるなら本意ではないとしつつ、「分かりやすくていいという声もいっぱいあった。(賛否)両方の意見があった」とした。謝罪する必要があるかどうかについては、今後判断するという。

 復興庁は「放射線というテーマは専門性が高く分かりづらいことから、一般の消費者に科学的根拠に基づく正しい情報を知っていただくため」などとして、イラストを用いたチラシや動画を13日に公開した。

 チラシではトリチウムがかわいらしい「ゆるキャラ」のように描かれ、「身の回りにたくさんあります」「健康への影響は心配はありません」などとされていた。公開直後からネット上などで批判が相次ぎ、復興庁はチラシと動画を14日に、ホームページからいったん削除した。

 平沢氏は事前に復興庁の職員からキャラクターを使ったチラシを見せられた際、「非常に分かりやすい資料ができたと思った」という。放射線(電子線)を出すトリチウムを、ゆるキャラとして描いたことが問題だったとし、「できるだけ早く検討して見直そうと思う」と話した。

 福島県の内堀雅雄知事は15日、この問題について報道陣に、「国民の理解を得ようと一定の努力をされた部分は分かるが、率直にいって残念。この広報が逆効果になっているんじゃないかとすら受け止めている」と述べた。(編集委員・大月規義

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